認知症グループホームは、2006年の介護保険法改正に伴い、地域密着型サービス類型に位置付けられ、利用者、地域住民、利用者家族、市町村職員等で構成される運営推進会議を2ヶ月に1回開催し、地域に開かれたサービスの質の向上・透明な運営の確保を図ることが義務付けられた。 制度施行後2年を経過し、9900を超える事業所において年6回開催される運営推進会議の運営実態を調査士、併せて保険者である市町村及び特別区においてどのような支援、関わりを行っているかの実態を調査する。運営推進会議の目的、会議の構成員、取り組み、地域とのかかわり、行政のかかわりなどを検証し、運営推進会議の価値、有効性をえび伝ストをもとに実証し、認知症グループホームに必要とされるサービスの質の向上・透明な運営の確保を図ることにより、認知症高齢者の尊厳ある生活を実現するために、グループホーム、行政、住民も含め、全てが共有できる運営推進会議のあり方を提言する事を目的とする。 また、本調査研究は、運営推進会議を通してグループホーム、市町村及び特別区の実態把握を行うとともに、「生活の継続性」「そのひとらしさ」「尊厳の保持」「共にある新しい地域の創生」といった理念が、日々のかかわりの中で活かされるための実践麓を紹介することにより今後の地域福祉実践についてのあり方を提言するものである。


 2006年4月、家庭や施設で介護を受けている高齢者を虐待から守るための初めての法律として、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が施行された。しかし、メディアや事例報告会などを通じた高齢者の権利侵害や虐待などの報道、報告は後を絶たず、実践現場への早急な理解浸透と徹底した対応を促していくことが必要となっている。また、小規模で限られた人材により認知症のお年寄りに向き合い支援するグループホーム・ケアの質を保証し、運営リスクの継続的な点検を行うことは、グループホームの社会的な信頼獲得や利用者および家族への安心を提供する上で、重要な取り組みとなる。
  本調査研究は、高齢者の権利利益の擁護に資するためのグループホーム・ケアの実態把握を行うとともに、「普通の暮らし」「一人ひとりの尊重」「尊厳の保持」といった理念が、日常ケア場面で生きた言葉として活かされるための啓発活動を実施するものである。


 グループホームは、介護保険制度施行当初から認知症ケアの切り札として常に注目を浴びてきたが、経過とともに入居者の状態は変化しつつある。比較的にADLが軽度な認知症を伴うお年寄りを対象としたサービスと謳われてきたものの、軽度で入居した利用者の身体状況は確実に重度化しており、住み慣れた地域で初期から終末までの継続的な支援という命題においては、“重度化対応”や“看取りへの支援”が避けられない課題となっている。グループホームにおける終末期支援については、これまでにも様々な調査研究事業や事例検討などが行われてきたが、事業所の対応状況や認識はまちまちで、重度化したときの退居要件にも格差がある。
 本調査研究事業は、より多くのグループホームが終末期支援の実践に結びつけていけるように、医療連携、職員体制、スタッフの技術向上、また、事業所そのものの健全かつ継続的な経営を保障する制度的な支援・整備など、様々な角度からの検証を行い、個々の利用者の「初期から終末を支える地域密着型サービス」として、グループホームケアの方向性を再確認するものである。


 本調査研究は、根拠に基づいたグループホーム業界全体の実態把握と構造分析が急務であることから、平成17年度より全国認知症グループホーム協会会員事業所に対するアンケート調査を基本に実施している。調査結果は、ケアの質の向上、経営環境、労働環境などを確保するための基礎データとして活用し、より質の高いサービス提供体制づくりのための経年的な調査とすることを想定している。
 今年度の調査内容は昨年度の調査項目を基本としつつ、平成18年度からはじまった医療連携体制加算や運営推進会議、多機能化への動き等、改正介護保険制度の新しい取組みにも注目している。また、介護報酬改定などで事業所経営に及ぼされた影響等の把握も行う。


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